作詞:未詳 作曲:未詳 文部省唱歌 明治45年(1912年)
夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉(わかば)が茂る あれに見えるは 茶摘(ちゃつみ)じゃないか あかねだすきに菅(すげ)の笠
日和(ひより)つづきの 今日此の頃(きょうこのごろ)を、 心のどかに摘(つ)みつつ歌ふ 摘(つ)めよ 摘(つ)め摘(つ)め 摘(つ)まねばならぬ 摘(つ)まにや日本の茶にならぬ
春の終わりから初夏にかけて、お茶の産地では一番茶摘(つ)みの最盛期(さいせいき)、農家では作物の種蒔(ま)きの時期です。お茶の葉を娘(むすめ)さんたちが手で摘(つ)んでいる風景が歌われています。「せっせっせ」の手遊び歌としても有名ですが、この手遊びはお茶の葉をつむ手つきをまねているのだという人もいます。
八十八夜=立春から88日目で、現在の暦(こよみ)では5月1日か2日くらい。お茶の新芽がつみごろになり、この日につんだお茶を飲むと長生きするとも言われます。 あかねだすき=あかね色(赤い色)のひもで着物の袖(そで)が作業のじゃまにならないようにたすきがけにとめていること 日和(ひより)つづき=お天気の良い日が続いている