作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一 文部省唱歌 大正3年(1914年)
菜の花畠(ばたけ)に 入り日薄(うす)れ 見わたす山の端(は) 霞(かすみ)ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月(ゆうづき)かかりて におい淡(あわ)し
里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路(こみち)を たどる人も 蛙(かわず)の鳴くねも 鐘(かね)の音も さながら霞(かす)める 朧(おぼろ)月夜
暖(あたた)かい春の夕方からぼんやりとかすむ月夜に移(うつ)り変わる農村ののどかな風景が美しく描(えが)かれています。作詞(さくし)の高野さんの故郷(こきょう)の奥信濃(おくしなの)(長野県)には、春になると菜の花が咲き、あたり一面が黄色に染(そ)まったそうです。
里わの火影(ほかげ)=人里あたりのあかり かわず=カエル