地域の少年少女合唱団とママさんコーラスグループを母体に、なかのZEROホール開館記念区民参加事業(1993年)を経て設立。子どもたちの体験不足から生じる様々な問題に危機感を持った親たちが運営の中心となり、多くのアーティストや教育関係者の協力を得て、子どもたちの「そうぞう(想像・創造)力」を育み、異年齢の仲間づくりから「関係力」を育むことを目的に活動を始めた。やがて活動の進展と共に、子どもたちからの文化発信により、地域や世代を超えて繋ぎあう新たなコミュニティを育むことをミッションとして、2003年にNPOを設立した。
主な活動内容としては、
- 様々なジャンルのワークショップや自然体験から「そうぞう(想像・創造)力」を
育む体験活動 - ミュージカルの創作活動:1により子どもたちが受けた感動やイメージを言葉や身体
の動きにし、そこから脚本や歌を作りミュージカル公演という形で他者に伝える次元
にまで高め、自分たちのメッセージを伝える活動。子どもたち自身の「生きた言葉」
を紡ぎ出す歌や台詞づくりの共同作業から「関係力」をも育む活動。 - 世代間の交流促進:異年齢の仲間づくりやボランティア活動による交流、卒業生の
キャリア支援の機会提供。 - 地域の子どもの居場所として、「子ども」「まち」「アート」を基軸とした拠点と
ネットワークづくり。 - 教材開発と普及活動:ミュージカルを教材として楽譜やCDとして出版、活動ノウハウ
をWEB教材として開発等があげられる。
ZEROキッズでは、日曜日を中心として、春休みや夏休みなども合わせると年間約70日、400時間以上を学校や年齢の異なる子どもたちが共に活動している。子どもたちは長いスパンで活動に関わることが多く、活動によって育った若者たちには、発想力・企画力・コミュニケーション力・表現力・実行力といった「人間力」が確実に身についていることを実感する。活動の中で様々な価値観に出会い、将来の目標や夢をみつけている。また、活動の積み重ねと「アート」を核とした多様で多層な人たちの繋がりが、新たな「地域力」を創り出している。
2005年 | 第14回音楽教育振興賞(音楽教育振興財団/毎日新聞社) |
2009年 | 第4回こども環境学会活動賞(こども環境学会) |
2010年 | 第41回博報賞教育活性化部門(財団法人博報児童教育振興会) |
2010年度博報賞審査評より
「そうぞう力」(想像力・創造力)を育むような体験活動と、そこから得た驚きや感動を表現する活動としての「創作ミュージカル」を通じて、子どもたちのトータルな成長を促していくと同時に、「子ども」「アート」をキーワードとした世代間の交流や地域の拠点ネットワークづくりを目指している。豊かなビジョンとスケールの大きさが際立つ実践活動である。